水泳の健康効果とは?知っておきたいメリット・デメリット

  • 水泳知識
  • スポーツ 効果 水泳 脂肪

水泳は健康にいいということは分かっていても、具体的にどのような効果があるのか知らないという人は、意外と多いのではないでしょうか。ウォーキングやジョギングのような陸上の運動と違い、水の中で泳ぐ水泳にしか得られないメリットがあります。

ここでは、そんな水泳で得られるさまざまな効果のほか、水泳をはじめる前に知っておくべきデメリットについて解説していきます。

水泳にはどんな健康効果があるの?

水泳は、水に浮かんだ状態で全身を動かすことで、日常生活では得られない効果があります。その中でも、水泳には、次の7つのような健康にいいとされる効果があります。

健康効果1-肩こりの改善

水泳では、泳ぐ際に肩の周囲の筋肉を動かすことで血行が良くなり、肩こりが改善されます。特に、おすすめなのがクロールや背泳ぎです。「肩こり筋」と呼ばれる僧帽筋を無理せず動かすことができます。

その際、肩や首が冷えると血行が悪くなって、逆に肩こりが悪化する可能性があるので、水温が低いプールは避け、体を冷やさないよう温水プールで泳ぐようにしましょう。

健康効果2-心肺機能の強化

泳いでいる際、限られたタイミングで息継ぎしなければならないため、水中で勢いよく息を吐いたり、水面ギリギリで大きく吸ったりと、意識的に呼吸を行うことで心肺機能の向上につながります。

心肺機能が強くなると、体内に酸素を効率的に取り入れることができるようになるので、階段の上り下りで息切れしたり、少し走っただけで息が上がるという悩みが解消されます。

健康効果3-むくみの解消

私たちは普段、大気圧と呼ばれる空気の圧力を受けて生活をしていますが、水中では水の圧力によって、地表よりも大きな圧力がかかります。

そのため、プールの中に立っているだけで、水圧がかかり、心臓に血液が押し戻される働きが楽に行われ、足のむくみも解消されます。

健康効果4-体脂肪の燃焼

水泳は有酸素運動と呼ばれる運動で、体に軽~中程度の負荷をかけながら継続的に体を動かすことにより、体内に大量の酸素が取り込まれて、脂肪の分解や燃焼に効果があります。

体脂肪を燃焼させたいからといって、ただ一生懸命泳げばいいというわけではなく、無理をせずじっくりと時間をかけて泳ぐことで、燃焼効率アップします。

関連記事

水泳のダイエット効果・方法
https://www.cossoriswim.com/etc/swimming-diet.html

健康効果5-血圧の改善

高血圧の原因には、塩分の摂りすぎや喫煙のほかに、身体活動量の不足があります。そのため、高血圧の改善には、食事療法や薬物療法に加えて、水泳のような中等度の有酸素運動による運動が効果的です。(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「高血圧症を改善するための運動」

ただし、急激な運動は体に大きな負担を与えることから、高血圧の方は必ず専門医によるメディカルチェックを受け、運動療法の可否を確認の上、無理のない範囲ではじめましょう。

健康効果6-よく眠れる

「ぐっすり眠れない」「寝つきが悪い」「早く目が覚める」などの眠りに関する悩みの中には、運動不足を解消することによって改善されるケースがあります。

特に、有酸素運動を行うことで適度な疲労感が得られるほか、不眠の原因となる自律神経のバランスが整えられて、よく眠れるようになります。

健康効果7-ストレスの軽減

水の中で無心になって泳ぐことによって、日常の煩わしさから解放されるだけでなく、体を動かすことで気分転換やストレスの解消につながります。

さらに、有酸素運動には、心と体をリラックスさせて、ネガティブな気持ちを発散する効果があるため、ストレスが軽減されるのです。(参考:厚生労働省 こころもメンテしよう「体を動かす」)

水泳が健康に悪い影響を与えることも…

ここまでは、水泳の効果について紹介してきましたが、水泳がもたらす影響は良いことばかりではありません。健康に悪影響を及ぼす代表的な水泳のデメリットに、スポーツ障害があります。

スポーツ障害とは

スポーツ障害とは、スポーツが原因で起こる体のトラブルのことで、アスリートに多い疲労骨折や、小中学生の男の子に多く見られるオスグッド病もスポーツ障害の一つです。

スポーツ障害の原因は、過度の練習による特定の部位のオーバーユース(使いすぎ)のため、別名「使いすぎ症候群」とも呼ばれています。

スポーツ障害が、筋肉や腱などに負荷がかかって痛みが起こるのに対して、骨折やねんざ、脱臼のようなスポーツが原因で起こる突発的なケガのことを、スポーツ外傷といいます。

水泳が引き起こす3つのスポーツ障害

どんなスポーツにもオーバーユースはつきものですが、水泳では次のようなスポーツ障害が起こりやすいため、くれぐれも注意が必要です。
万が一、痛みを感じる場合は早めに専門医に相談しましょう。

1.水泳肩(Swimmer’s shoulder)

水泳肩とは、クロールやバタフライのような腕を回転させる泳ぎの際に、肩関節に過度な負担がかかることで、筋肉や腱が炎症を起こして、肩が痛むことをいいます。

水泳肩を予防するためには、肩に負担がかからないリカバリーを心がける必要があります。また、少しでも痛みを感じたら、無理をせずに休息をとりましょう。

2.腰痛

平泳ぎやバタフライのような、体重の上下移動によって起こるうねりを使って進む泳ぎ方は、腰に負担がかかることで腰痛が起こりやすくなります。

特に、しっかり息を吸おうとするあまりに、上体を反らせる動きが大きくなってしまうと、息継ぎのたびに過度なストレスが腰にかかってしまいます。

3.平泳ぎ膝(Breaststroker's knee)

平泳ぎ膝とは、キックの際に膝を外側にひねった状態で向けて蹴り込むことで、膝の内側の靭帯に無理がかかって、炎症による痛みが生じることをいいます。

脚を開いた状態でキックを行うウェッジキックに対して、脚をあまり開かないウイップキックは膝へのストレスが大きいことから、膝への負担を考慮したキックを行う必要があります。

平泳ぎのキックの詳細については、こちらの記事をご覧ください。2種類のキックの違いについて、イラストを使って解説しています。

関連記事

無理なく効果的に水泳を楽しみましょう

水泳は、しっかりと取り組むことによって効果が得られる一方で、無理をしすぎると肩や腰、膝などを傷めてしまうことから、できるだけ負担をかけないように、自分の体と相談しながら取り組むことが大切です。

もし、効果的な泳ぎ方を身につけたいという人は、水泳教室やスポーツジムに通うことをおすすめします。専門知識を持つスタッフのトレーニングを受けて、基礎からみっちり学びましょう。