クロールの息継ぎのコツまとめ~うまくできない理由と克服法
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クロールの息継ぎがうまくできないのにはきちんと理由があります。息継ぎをすると苦しい、水が口に入る、体が沈む、タイミングがわからない、息継ぎが怖い、とお悩みのあなたに、息継ぎの苦手を克服するポイントと、練習方法をご紹介します。
クロールの息継ぎの方法
クロールの息継ぎのやり方をご紹介します。といっても、小難しいことをあれこれ説明されても、よく分からないという方もいることでしょう。そこで、動画を参考にしながら、クロールの息継ぎの回数やタイミングについて、分かりやすく解説していきます。
クロールの息継ぎを動画でチェック!
まずはこちらの動画を2回くらい再生して、じっくり観てみてください。この動画は水中の様子もしっかり映っているので、クロールの息継ぎの基本的なやり方が分かると思います。
上手い人がやっているのを見ると「すっごい簡単そう」と思えるのですが、実際に自分がやってみると全然できなくて「自分には水泳向いてないかも…」と水泳自体を諦めてしまう人って、たくさんいます。
スイミングスクールの先生は教えるのが上手なので生徒はすぐにできるようになりますが、先生がいないこっそり水泳マスターの道を選んだ人は自分でなんとかするしかないのでつらいですよね。
クロールが上手な人に聞いても、自転車の乗り方と一緒でなかなかうまく息継ぎのコツを説明できないことが多いです。ですので、このページでクロールの息継ぎのポイントを自分の頭で理解して、プールでそれをひとつひとつ確かめて習得していきましょう!
クロールの息継ぎができない理由ベスト3
一口にクロールの息継ぎができないと言っても、その理由は人それぞれです。なぜ、息継ぎができないのか、次のような代表的な3つの理由があります。
1.体が沈む
クロールの息継ぎをする際、どんどん体が沈んでしまって息継ぎができないことがあります。このような現象が起こる一番の原因は、息継ぎをしっかりしようとするあまりに、顔を上げすぎていることにあります。
シーソーの片方を上げると、片方が下がるように、上半身を起こしすぎてしまうと、下半身が沈んでしまうことから、息継ぎの時に体が沈んでしまうという方は、体を水平に保つことを意識する必要があります。
2.息継ぎをしているのに苦しい
息継ぎはできているはずなのに、苦しくなってしまって、ついプールの途中で立ってしまうという方は、息継ぎが上手くできないせいで、バランスよく呼吸ができていない可能性があります。
水泳の呼吸は、水中で息を吐き、水から顔が出たら息を吸うのが基本ですが、息を吐く量が少なかったり、必要な量を吸えなかったりすると、呼吸のバランスが崩れて、苦しくなってしまいます。
3.口に水が入る
息継ぎをしようと顔を横に向けた瞬間、口の中に水が流れ込んできて、息を吸えないどころか、水を飲んでしまった…という経験をされた方は多いのではないでしょうか。この原因はいろいろあります。
例えば、「顔が水から出ていない」「口の開けすぎ」「無理に吸い込んでいる」などがあげられます。口に水が入ってしまうという方は、これらのいずれかが当てはまるのではないでしょうか。
クロールの息継ぎは左右どっちでするのがいいの?
クロールの息継ぎは横でします。これを正面ですると溺れている人っぽくなってしまいます。
横でするということは右で息を吸うか、左で息を吸うか、の2通りですが、一般的には利き手の側でするのがやりやすいです。
慣れてくると両側で上手にできるようになりますが、初めは利き手の方から練習すると良いでしょう。
クロールの息継ぎの回数は2回に1回
クロールの息継ぎの回数には決まったルールはありませんが、左右一回ずつを1ストロークとした場合、息継ぎは2ストロークに1回か、4ストロークに1回するのが一般的です。
そして、息継ぎの回数は泳ぐ目的によって変わります。
クロールの場合、下を向いて腕で水をかいているときが最も水の抵抗が少なく、横を向いて息継ぎをするとわずかに減速してしまいます。そのため、短距離でタイムを競うスピードレースではなるべく息継ぎの回数を少なくします。
逆にスピードよりも、疲れないように泳ぐための持久力が求められる長距離では、しっかりと呼吸をして、体にたくさんの空気を取り込まなければならないため、短距離よりも息継ぎの回数を多くする必要があります。
「速くなくていい、とにかく酸素が欲しいんだ!」という息継ぎが下手の人ならば、2回に1回のペースで確実に空気を吸うようにしましょう。
つまり、右側で息継ぎをする人は、
右手を回しながら息継ぎ → 左手を回してるときは息継ぎなし → 右手を回しながら息継ぎ
というリズムです。
同じ側で息継ぎをする人は偶数回に一回することになるので、2回に1回、4回に1回、6回に1回の中から自分にあった頻度を選びます。
左右両方で息継ぎできる人は3回に1回、5回に1回、という奇数回に一回のリズムでも息継ぎができるというメリットがあります。2回に1回だと息継ぎが多い、4回に1回だと酸素がもたない、というひとは3回に1回がいいでしょう。
クロールの息継ぎの顔を上げるタイミングは?
どのタイミングで顔を横に向け、どのタイミングで息を吸い、どのタイミングで顔をもとに戻せばいいのか。この感覚は、クロールを練習し始めた人にとってはつかみづらいかもしれません。
そこで、ずばりタイミングを具体的に言うと、息継ぎ側の腕が自分のふとももを通過するときが息継ぎスタートです。そこで、息を吸う心の準備をして、リカバリーのために腕が回り始めたら、横を向いて素早く吸います。
これはとってもわかりやすいですね。
このタイミングを覚えるには、「ローリング」を意識することが重要です。
クロールをしているとき、体は水平にピタッと固まって、手と足だけが動いているわけではありません。常に左右にローリングしているのです。振り子のように、右腕をかき終わって水上に右腕があるときは体が右に開き、体の左がやや沈み、逆に右腕を前に伸ばして左腕で水をかき終わったときは右側がやや沈みます。
この動きを利用して、息継ぎ側の腕が水面から出てきて息継ぎ側の体が浮いてきたら一緒に顔を水面からそちら側にだし、息を吸ったら体がもとに戻っていく流れに合わせて下を向けば良いのです。
ここでもう一度、上に戻って動画を見てみましょう。今度は息継ぎのタイミングを手の動きとセットで見てみてください。きっと、腕と連動した息継ぎのタイミングが分かるはずです。
息継ぎのときの顔の向きは?
息継ぎのときに上を向こうとするのは良くありません。
口や鼻に水が入るのを恐れて、思いっきり頭を上げて息継ぎをしようとする人がいますが、これは間違いです。
クロールは体を一直線にし、左右にローリングしながら進む泳法ですから、頭を上に上げてしまうとこれに別向きの上下の力がかかってしまい、体が沈む原因となります。
息継ぎがうまくできない人がよく言う「体が沈む」「足が沈む」の原因として、頭を上に上げようとしすぎていることが大きな要因となるのです。ですので、息継ぎのときに顔の向きが上を向いて「天井が見えている」のはNGで、「クロールすると首が痛い」という人も顔の向きが原因でしょう。
目線はやや斜め後ろの水面から上がってきた自分の手を見ると良いでしょう。実験してみるとわかりますが、クロールの姿勢で斜め後ろを見ようとすると、頭は固定した状態で自然と首が回転してアゴと口が水面上に上がってきます!
本当かな?と思ったあなたは、もう一度上に行って動画を見てきてください。お手本の水泳選手のゴーグルが斜め後ろの自分の手の方に向いてるのがわかると思います。
息継ぎのときに反対側の手はどうしていたらいい?
右側で息継ぎをしてるときの左手の役割は枕です。そして舟でもあります。
進行方向に向けて真っすぐ伸ばした腕はなにもせず、そこに頭をちょこんと乗せ、落ち着いて息を吸いましょう。
クロールの呼吸のコツ3つ
クロールの息継ぎが苦手な人は、息継ぎばかり気になってしまうようですが、息を吸うだけでなく、次のような吐く・吸うという呼吸のコツを身につけることが大切です。
1.顎を引いた状態で斜め後ろに顔を向ける
息継ぎの際、顔を真横に向けた場合、顔をしっかり上げないと呼吸ができないのに対して、顔を斜め後ろに向けると、無理に顔を上げなくても、効率よく息継ぎができます。
ポイントは顎を引くことです。そうすることによって、息を吸おうと顔を上げると、顔が自然に後ろに向くはずです。息が吸える時間は短いので、できるだけ素早く顔を戻しましょう。
2.息継ぎのときの呼吸法は「パッ」
水中に顔があるときは鼻から息をブクブク出します。そして、口が水面から上に出たら「パッ」と口を開けて空気を吸いましょう。
水泳の呼吸法は腹式呼吸が基本ですから、鼻から息を出すときはお腹を凹ませ、口から吸うときは胸が膨らむように意識して呼吸してみましょう。
3.水中で鼻から息を出すとき、吐きすぎないのも大事
息継ぎの前に肺にある空気をすべて吐き出し、息継ぎのタイミングで一気に空気を吸い込む!というやり方では非常に苦しくなりますし、精神的にも余裕がなく疲れてしまいます。
肺にある空気は浮力にもなりますので、イメージとしては6割くらい吐いておいて、吐いた分だけ吸えばいい、というエコ運転で呼吸するのが息継ぎ下手のひとのしんどさや恐怖を軽減する方法です。
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