バタフライのストローク~うねりのコツを掴むには?
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- ストローク バタフライ
バタフライはご存知のように、両手で水をかく動作が蝶に似ていることからその名が付けられた、4つの泳ぎの中で最も難しいといわれている泳法です。
バタフライをかっこよく泳いでみたいけれど、ストロークのやり方やタイミングがよく分からないという人は、ここで紹介する泳ぎの流れを参考にして、スムーズに泳ぐコツを掴みましょう。
バタフライのストロークの流れ
ストローク(stroke)とは、振り子のような反復する動作を表す言葉で、バタフライの場合は、次の5つの動きに分けられます。
バタフライのストローク
- エントリー
- キャッチ
- プル
- フィニッシュ
- リカバリー
バタフライの5つのストロークでは、具体的にどのような手の動きをするのでしょう。キックとのタイミングの取り方を合わせて、詳しく解説していきます。
1.エントリー
エントリー(Entry)とは、水面上に振り上げた腕を入水させる動作のことをいいます。水の抵抗を少なくするため、指先を下に向けた状態で入水します。
また、エントリーの際、第一キックを行います。入水の直前に膝を曲げ、入水とほぼ同時に水を蹴ることで、推進力が増してスピードがアップします。
バタフライの手の入水ポイント
両手を同時に入水する際、腕は肩幅かそれより少し狭くなるように開き、手のひらを外側に向けるようなイメージで、水面に対して45度の入水角度を心がけましょう。その時、入水が深すぎると水の抵抗を受けやすい上、次の動作に移るのに時間がかかるので、手が肩よりも深く潜らないよう注意が必要です。
2.キャッチ
チャッチ(Catch)とはその名の通り、入水後に水をつかむ動作のことですが、実際には、肘を伸ばした状態で、腕で上から水を捉えるような動作をします。
その際、腕は肩幅くらいに開き、手のひらが外側を向いて入水していることから、腕は内側を向いています。また、脚は、第一キックの後で真っ直ぐ伸ばした状態で、次の第二キックに備えます。
3.プル
プル(Pull)とは、腕を前から後ろに引いて、水をかく動作のことをいいます。肩下あたりまで水をかいたところで第二キックを行うことによって、一度沈んだ体を水面まで引き上げます。
プルには主に、次のような2つのやり方がありますが、どちらが優れているという訳ではないため、泳ぐ距離や個々の泳ぎ方に合わせて選ぶといいでしょう。
ストレートプル
ストレートプルとは、腕を前から後ろへ真っ直ぐ水をかく方法です。腕の動きを最小限に抑えられるほか、スピードが出やすいという特徴があります。
キーホールプル
キーホールプルとは、鍵穴のような軌道を描きながら水をかく方法です。体への負荷が少ないためストレートプルに比べて、中長距離に向いています。
4.フィニッシュ
フィニッシュ(Fihish)とは、一回のストロークの終わりのことをいいます。この時、プルで水をかいた手は、最終的に「気をつけ」の状態になるように心がけましょう。
さらに、手の動きとシンクロして、第二キックで蹴った脚が伸びきることで推進力が一気に増すため、このタイミングで顔を上げて息継ぎをします。
5.リカバリー
次のエントリーの状態に戻すための動作をリカバリー(Recovery)といいます。フィニッシュによって腕が伸びた後、まずは、上腕あたりから引き上げます。
そして、手のひらを後ろに向けた状態で、腕を高く上げすぎないように意識しながら、腕を前に移動させて、手のひらをやや外側に向けて再び入水します。
バタフライのストロークを動画でチェック!
バタフライのストロークは、言葉で説明されてもなかなか理解するのが難しいものなので、上達するためには上手な人のストロークを見るのが一番ですが、水中の動きを逐一追うのは大変なことから、動画をチェックすることをおすすめします。
次の動画では、ストロークとキックのタイミングがよく分かる真横から撮った動画のほかに、うねりのコツをつかむのに役立つ上から撮った動画が紹介されています。
動画をチェックする際、標準の速度では速すぎてよく分かりにくいという方は、YouTube画面右下にある「設定」を選んで、速度を0.5くらいに変更すると、通常の半分のスピードで再生されるので、細かな動きまでじっくりと見ることができます。
バタフライのうねりのコツの掴み方
バタフライは、5つのストロークと2回のキックにより上下の体重移動が起こることで、バタフライ特有のうねりが生じます。バタフライでは、速く泳ぐためにはうねりが重要になることから、ストロークとともに次のようなコツを身につけることが重要となります。
1-キックのリズムをつかむ
バタフライでは、1ストローク中に2回水を蹴るツービートでキックを打つことから、心の中で「1、2」「1、2」とリズムを取りながら、第一キックと第二キックを行うとスムーズに泳ぐことができます。
2-キャッチの際に体を伸ばす
第一キックの後、背中を反らすようにして体全体をしっかり伸ばすことで、エントリーで潜った際にお尻よりの低い位置にあった頭が上がって、上半身が浮上しやすくなります。
3-プルで上体をしっかり起こす
プルで水をかきながら第二キックを行うタイミングで、しっかりと上体を起こしておくと、リカバリーでの息継ぎや次のエントリーがスムーズに行うことができます。
バタフライで潜水が可能な距離とは?
バタフライといえば、イルカのように体をくねらせて、水中を潜りながら泳ぐイメージをお持ちの方は多いかもしれませんが、実は、バタフライでは、好きなだけ潜っていてもいいというわけではありません。
水に潜った状態で泳ぐ潜水泳法は、水面近くを泳ぐ際に受ける造波抵抗が軽減されることから、長い距離を潜行する選手によってタイムが大幅に塗り替えられるようになり、それまで無制限だった潜水距離のルールが次のように改正されました。
バタフライの潜水についての規則
スタート後、折り返し後は、体は完全に水没していてもよいが、壁から15m地点までに、頭は水面上に出ていなければならない。また、次の折り返し、ゴールまで、体は水面上に出ていなければならない。
出典元:(公財)日本水泳連盟「競泳競技規測」
このように、バタフライのルールでは、壁から15mを超えたら潜水はNGとなっています。日本水泳連盟の公認プールでは、両端壁から15mのコースライン上にクロスラインが設置されているため、それを目印にストロークをスタートするようにしましょう。
バタフライのストロークはイメージトレーニングも大事!
バタフライのストロークがなかなか身に付かないという方は、プールでのドリル練習や実際に泳いでみることも大切ですが、イメトレでしっかりとストロークの流れを体に叩き込むことも大切です。
パソコンなどで動画を見ながらベッドの上で試したり、大きめの鏡の前で実際に動きを確認したりと、水の中以外でも、いろいろな練習方法があるので、ぜひ試してみてください。
また、さらに詳しい練習法を知りたいという方は、こちらのバタフライのタイムを縮める練習方法をお読みください。