平泳ぎの泳ぎ方
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平泳ぎはブレストストロークの名前から、ブレとも呼ばれています。
足と手の動きがバラバラなので、うまく泳げずに徐々に沈んでしまう人もいるようです。
沈まないように正しいフォームで泳いでみましょう。
4泳法の中では一番難しい泳ぎ方で、ルールも細かく決められています。
平泳ぎの泳ぎ方の種類
平泳ぎには2種類の泳ぎ方があります。
昔からあるストレート泳法と、近年になって正式な泳ぎ方と認められたウェイブ泳法とがあります。
ストレート泳法は頭を出したまま直線の動きで泳ぐ方法です(海では皆この泳ぎ方ですね)。
後に、頭が水の中に入ることが正式に認められ、ウェイブ泳法が使えることになりました。
泳ぐスピードは、ストレート泳法に比べると、ウェイブ泳法の方が速く泳ぐことができます。
ここではウェイブ泳法について説明していきます。
平泳ぎの足の動き
平泳ぎの足の動きは、複雑そうに見えますが、ここで紹介するやり方のコツをつかむことで、意外と簡単にマスターすることができるので、ぜひ参考にしてください。
平泳ぎのキックの種類
平泳ぎのキックの方法は2種類です。
昔から行われていたウェッジキックは挟んだときに前に進む力が働き、ウィップキックは蹴ることで前に進みます。
速く泳ぐことができるのは、ウィップキックの方です。
1.ウェッジキック(Wedge kick)
ウェッジとは、日本語で「楔形(V字形)」という意味で、足でV字の軌道を描くように水を蹴るため、このように呼ばれています。
肩幅に足を曲げて広げ、外側に蹴り出して足が伸びた状態から、両方の足を挟むようにして足を閉じるキックです。
膝を曲げて「1」、蹴り出して「2」、挟み込んで「3」の3拍子のリズムになります。
2.ウィップキック(Whip kick)
ウィップとは、日本語で「鞭(ムチ)」という意味で、足を鞭のようにしならせて水を蹴ることから、このように呼ばれてます。
ヴェッジキックが肩幅に膝を開くのに対し、ウィップキックはゲンコツ1個分くらいしか広げません。その状態から後ろに向かって弧を描くように閉じながらキックします。
膝を曲げて「1」、蹴り出しながら閉じて「2」の2拍子のリズムになります。
平泳ぎのキックでは、膝が立ってしまうと、水の抵抗を受けやすくなりますので注意しましょう。膝が前に出すぎていてもいけません。
平泳ぎのキックのコツ
平泳ぎでは、「引く」と「蹴る」の2つの足の動作が大きな鍵を握っています。キックの際にどんなことに気をつけたらいいのか、ウイップキックを例に解説していきます。
引きの時に気をつけたいのは、中途半端にならないことです。ふくらはぎを十分にお尻に引き寄せて、足の裏が天井を向くように膝をしっかりと曲げます。
一方、蹴る時には、指を外側に向けた状態で、足裏で後方に水を押し出します。その後、足で弧を描きながら、左右の膝を真っ直ぐ伸ばすことで、効率的に前に進むことができます。
平泳ぎの足の動きを動画でチェック!
平泳ぎのキックのコツが分かったところで、実際の動画で確認してみましょう。
足の引きと蹴りのほかに、足の裏の向きや膝を曲げる角度は要チェックです。
平泳ぎのキックの際はあおり足に注意しましょう
あおり足とは、平泳ぎでは一般的に足の裏で水を蹴るのに対して、足の甲で水を蹴ることをいいます。あおり足になってしまうとキックの効率が悪くなるので、泳ぐスピードが遅くなってしまいます。
あおり足になる主な原因は、水を蹴る際に足首が伸びてしまっていることで、あおり足が気になる場合は、かかとをお尻に引きつけた時に、しっかりと足首を曲げることが大切です。また、泳ぐ前にストレッチなどで足首を十分にほぐしておくことで、柔軟性を高めましょう。
平泳ぎの手の動き
平泳ぎの手の動きは、クロールなどとは全く違いますので、水をかく際にどのように手を動かすのかしっかり理解しておきましょう。
平泳ぎの水をかくポイントは?
平泳ぎの手の動きは、ハートを逆さまに描くように水をかくのが特徴です。そして、その際、手のひらの向きがポイントになります。
平泳ぎのストロークでは、主に外側に向かって水をかくアウトスイープと、内側に向かって水をかくインスイープが使われるのですが、効率的に水をかくためには、これらの2つのスイープを行う際、切り替えを明確に行うことが重要です。
平泳ぎのストロークのコツ
平泳ぎの場合、ストロークとは両手で水をかく一かきのことをいいます。ここでは、平泳ぎのストロークではどのような手の動きするのか、詳しく解説していきます。
1.キャッチ
手で水を掴む動作です。バンザイのように腕を伸ばして肩幅まで開き、手の甲が内側を向くように45度ほどに傾けます。
小指が斜め上を向いた状態でしっかりと水を掴み、素早く腕を動かすことによって、より大きな推進力を得ることができます。
2.プル
手で水をかく動作です。手のひらだけではなく、腕全体を使って水をかくことを意識しましょう。
まずはアウトスイープで水をかきます。そして、手が体の横にきたところで、肘を引き上げることで指先が真下を向く「ハイエルボー」と呼ばれる状態になり、そこからインスイープに切り替えることによって、推進力がアップします。
3.リカバリー
腕を伸びの状態に戻すための動作です。手が胸のあたりにきたら脇を締めて、左右の手が少し触れる程度に揃えて前に付き出します。
その際、肘は必ず水中に入っていなければなりませんが、手は水中・水面・水上のどこからに伸ばしても構いません。しかし、水中でリカバリーすると、水の抵抗を受けてスピードが遅くなってしまうというデメリットがあります。
4.グライド
け伸びのような動作です。水の抵抗を抑えるために肘と膝を真っ直ぐ伸ばし、水中で体を水平に保ちます。
速く泳ぐためには、急いで次の動作に移りたいところですが、グライド姿勢をしっかり行うことが推進力アップにつながります。
平泳ぎの手と足のタイミングは?
平泳ぎが4泳法の中でも、泳ぎ方が難しいといわれる理由の一つが、クロールや背泳ぎと違って、手足のタイミングが合わせにくいことです。
平泳ぎでは、うまく推進力を利用するに、手と足が同時に伸びるように、次のようなタイミングで手と足を動かします。
- リカバリーに入ったらキックの準備を始める
- 両手を前に付き出しながら足を引きつける
- 手を伸ばすのと同時に足裏で水を蹴る
平泳ぎの息継ぎ
水をかくのが終了したら、息継ぎの動作に移ります。
脇をしめて背筋を伸ばします。
脇を思い切りしめることによって、勢いで体が水面から出ることの助けになります。
脇をしめるときは、体の前寄りでしめるようにして、体を斜め前にあげるようにします。
あまり水面から体が出すぎないようにして、息継ぎをし、出るときに伸ばしていた背中は、水に入るときは少し丸めるような感じにします。
平泳ぎの息継ぎのタイミング
平泳ぎの息継ぎは、アウトスイープからインスイープに切り替わるタイミングで行います。
その際、手を胸元に引き寄せるように水をかくと、浮力が働いて上体が引き上げられるので、そのタイミングで水から顔を出して息を吸います。
息継ぎで沈む悩みの解消方法!
平泳ぎが苦手な人に意外と多いのが、息継ぎすると体が沈むというお悩みです。特に、下半身が沈んでしまう人が多いのですが、原因として次のようなことが考えられます。
- 息継ぎの時間が長い
- 上体を起こしすぎている
- 手のかきが弱い
- リカバリーの手の位置が低い
息継ぎのために顔を出す時間が長くなってしまったり、必要以上に水面から顔を出しすぎたりすると、自然と下半身が沈んでしまうほか、インスイープへの切り替えがきちんとできていない場合、息継ぎのために十分な浮力が働かないことがあります。
さらに、手を前に伸ばす時に、両手が極端に低い位置にある場合、体が沈みやすくなってしまいます。手の位置が低くなりがちな人は、リカバリーの際に両手を水面から上に出して前に戻すと、沈みにくくなります。
平泳ぎが進まない原因別の速く泳ぐコツ
平泳ぎは、クロールやバタフライのようにスピードが出る泳ぎ方ではありませんが、「なかなか進まない」「スピードが遅い」という人は、ここで紹介しているようなことをちょっと気をつけるだけでも、速く泳げるようになります。
原因1-キックで水を掴めていない
平泳ぎでは、キックによる推進力が大きな割合を占めることから、水をしっかり蹴れていないとスピードに大きく影響します。特に、足の裏の向きが大変重要になるため、あおり足になっている場合は、足裏で水を掴むことができません。
キックの際、足裏で水を押している感覚がない場合は、水をしっかりと捉えられていない可能性があります。水を効率よく蹴るために、足裏が蹴り出す方向に対して垂直になっているか確認しましょう。
原因2-手と足の動きが合っていない
水をしっかりと蹴ることができていたとしても、手と足の動きがチグハグだと十分にスピードが出ません。特に、平泳ぎでは、推進力を得るための手のかきと足のキックのタイミングが別々のため、注意が必要なのです。
そのため、慣れないうちは、次の3つの動作を「1、2、3」というカウントに合わせて行うことで、手と足のタイミングを計りましょう。
- 手:水をかく/足:伸ばす
- 手:インスイープ/足:曲げる
- 手:伸ばす/足:キック
原因3-グライド姿勢が崩れている
平泳ぎで最もスピードが出るタイミングは、水抵抗が最も小さいキックの直後のグライド姿勢です。抵抗によってスピードが落ちないように、耳を両腕ではさむように頭を中に入れた、前傾姿勢となることがポイントです。
体を伸ばす際、頭が上がっていると抵抗が大きくなるだけでなく、下半身が下がって体が沈む原因にもなります。うまくできないという人は、グライド姿勢で前に進むグライドキックの練習をしておくといいでしょう。
さらに、平泳ぎのタイムを上げたいという人は、こちらの記事をお読みください。平泳ぎが速く泳げるようになった先輩スイマーの体験談をご紹介しています。
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