背泳ぎの泳ぎ方

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背泳ぎの泳ぎ方

背泳ぎは水泳の中でも唯一仰向けになって泳ぐ泳法です。
泳ぐ際に顔を水に付けないので、他の4泳法よりも不安感がなく練習できると思います。
背泳ぎは通称「バック」とも呼ばれていて、その名の通り、後ろ向きに泳ぐことからきています。

背泳ぎの姿勢

背泳ぎでは、体の軸を真っ直ぐに保つことが、水の抵抗をできるだけ抑えたストリームラインの基本です。

また、背泳ぎで泳ぐ際は、顔が水に沈まないように顎を上げすぎると、足が沈みやすくなるので注意が必要です。顎は少し引き気味にして、目線はおへそを見るようにします。

顎を上げすぎて上手に背泳ぎできない女性

逆に、顎を引きすぎたり、体がくの字に曲がったりしていると腰が沈んでいまいます。お腹が下がらないように腹筋を意識しながら、おへそを水面ギリギリの位置でキープすることを心がけましょう。

理想的な背泳ぎの姿勢

背泳ぎのキック

背泳ぎはクロールが裏返しになったものなので、基本的に足の動きはバタ足と同じです。

ただし、クロールが腰の位置が基点となって脚を上下に動かすのに対して、背泳ぎでは腰から下の位置で脚を上下に動かすという違いがあります。

そのため、背泳ぎとクロールとでは重視するキックが異なることから、次の2つのキックのポイントをしっかりと抑えることが大切です。

ダウンキック

背泳ぎのダウンキックイラスト

ダウンキックは、下に向けて蹴って浮力を生むキックです。
背泳ぎではこちらのダウンキックが重視されます。膝を真っ直ぐに伸ばし、脚全体を使って水を蹴るのがポイントです。

アップキック

背泳ぎのアップキックイラスト

アップキックは、上に向かって蹴ることで推進力を生むキックです。
クロールではアップキックが重視されますが、背泳ぎでは自然に足を戻すような感じに、軽く蹴り上げるのがポイントです。

背泳ぎの手のかき方

足の動きと同じように、背泳ぎではクロールをひっくり返したような手の動きをします。ただし、背泳ぎはあくまでも上を向いた状態で手を動かすので、クロールとの違いを明確にしておきましょう。

背泳ぎのストローク

背泳ぎのストローク図解

背泳ぎのストロークは、次の6つの動きに分類することができます。それぞれのポイントを押えて、手の動きのコツを身につけましょう。

1.エントリー

エントリーとは、腕が入水する時の動きのことをいいます。
着水前は手のひらを外側に向け、その状態から耳の外側に向かって腕を下ろし、小指から水に入ります。

2.キャッチ

キャッチとは、入水した手で水を捉える動きのことをいいます。
キャッチした水を進行方向の反対側に向けて運ぶようなイメージで、手を持っていきましょう。

3.プル

プルとは、手で水をかく動きのことをいいます。
キャッチでとらえた水を逃さないように、手で水を押えながら体の横を移動させます。

背泳ぎのプルには、手の軌道が一直線を描くストレートプルと、横から見たとき手がS字を描くように移動するS字プルの2種類があります。

4.プッシュ

プッシュとは、手で水を押し出す動きのことをいいます。
手が腰の横を過ぎたあたりで、捉えていた水を後ろに放つように手を伸ばします。

5.フィニッシュ

フィニッシュとは、文字通りて泳ぎのストロークの終わりのことをいいます。
手を太腿の脇まで移動させながら、手のひらを内側に向けます。

6.リカバリー

リカバリーは、手を前に戻す動きのことをいいます。
親指を上にした状態で手を水から引き上げます。あまりゆっくり手を回ししすぎると、腕が上がっている時間が長くなるために、沈みやすくなってしまいます。

背泳ぎの手のかきかたについては、こちらの動画を参考にしましょう。ストレートプルのストロークのやり方を紹介していますので、手のひらの向きや腕の伸ばし方が分かります。

背泳ぎに欠かせないローリングとは?

ローリングとは、腕の動きに合わせて体が左右に傾くことをいいます。クロールや背泳ぎのような左右の腕を交互に動かす泳ぎ特有の動きで、大きく水をかこうとすることで、自然と水をかく手の方向に体が傾くのです。

ローリングには、肩関節をスムーズに回すことができるほか、キックが大きくなることによって、推進力が増してスピードがアップするという効果があります。

このようにローリングは、背泳ぎで速く泳ぐために必要な動作ですが、あまり意識しすぎると頭が左右に揺れたり、蛇行につながるので、あくまでも自然なローリングを心がけることが大切です。

背泳ぎの手と足のタイミング

背泳ぎの足と手の動きが分かったところで、次に気になるのが、キックとストロークのタイミングの取り方ではないでしょうか。

速く泳ぐためには、手と足の動きをしっかり合わせて、推進力を効率よく生み出すことが重要になります。そのため、背泳ぎではプルで水をかく時に、反対側の足でダウンキックを打つのが基本です。

例えば、右手で水をかく時は左足で、左手で水をかく時は右足でダウンキックを打つと、最も大きな推進力を得ることができます。

背泳ぎの息継ぎ

背泳ぎの息継ぎの仕方イラスト

背泳ぎの息継ぎは、水に顔を付けて泳ぐ他の泳ぎ方と違って簡単そうですが、間違った呼吸の仕方やタイミングで泳いでいると、上手く息が吸えない場合があるので、正しい息継ぎの方法を身につけることが大切です。

背泳ぎの呼吸法

背泳ぎでは、4泳法のほかの泳ぎ方を同じように口から吸って鼻から吐くように心がけましょう。

水から顔が出ているので、鼻からでも息が吸えると思われるかもしれませんが、顔にかかった水が鼻の中に入ってしまう恐れがあるため、必ず口から吸う必要があります。

口から吸って鼻から吐く背泳ぎスイマー

息継ぎのタイミング

背泳ぎの息継ぎには決められたタイミングはありませんが、2ストロークに1回息継ぎするのが一般的です。まずは、リカバリーの腕が一番高い位置にある時に鼻から息を吐きます。そして、エントリーで手が入水するタイミングで息を吸うと、効率よく空気を吸い込むことができます。

リカバリーの途中で息を吸ってしまうと、手からしたたり落ちてくる水滴が顔にかかって、水を飲んでしまったり、鼻に入る原因になるので注意しましょう。

左右どちらの手が入水する時に息を吸うのかは、人によって異なるので、実際にやってみて自分がやりやすい方を選ぶといいでしょう。

お悩み別の背泳ぎの泳ぎ方のコツ

仰向けで泳ぐということは、背泳ぎをはじめたばかりの人にとっては難しいと感じることばかりかもしれません。ここでは、そんな初心者におすすめの背泳ぎの泳ぎ方のコツを紹介しています。

1.曲がる・まっすぐ進まない

背泳ぎは、他の泳ぎ方のようにプールの底のラインを目印にすることができないため、まっすぐ泳ぐのが苦手だという人は多いのではないでしょうか。

左右のどちらか一方に曲がりやすい場合、片方の手のかきかたやキックが弱い可能性があります。

正しい姿勢を保ち、左右のバランスに注意しながら泳ぐことが大切です。さらに、コースロープを意識しながら泳ぐと、曲がらずにまっすぐ泳ぐことができるようになります。

2.体が沈む

背泳ぎでは、腰や膝が曲がっていると下半身が沈みやすくなりますし、下半身を浮かせようとすると、逆に頭が沈んでしまいます。

姿勢を安定させるには、上を向いた状態で水に浮く「背浮き」が重要です。

気をつけの状態で適度に体の力を抜き、左右のバランスに注意しながら、背浮きのコツを身につけましょう。そのほかに、体幹を支える筋肉のトレーニングは、背泳ぎの姿勢の維持に役立ちます。

3.顔に水がかかる

背泳ぎでは、リカバリーで手が顔の上を移動したり、エントリーの際のローリングによって顔が沈んだりしたりした時に、どうしても顔に水がかかってしまうものです。

しかし、ローリングがきちんとできていない場合や腕が曲がっている場合、顔に水がかかりやすくなるのでフォームをチェックしてみましょう。

また、泳いでいる時は真上に顔を向けるのではなく、顎を少し引くことによって、多少顔に水がかかったとしても、鼻や口に入りにくくなります。